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合鹿椀(ごうろくわん)の納品

IMG_0779.jpg

本日、出張の予定がなくなり一日完全フリー。
とはいえやること、いややらなければいけないこと山積である。
時間を有効に使おう!

朝一で前橋のギャラリーに納める作品の仕上げ。
私の作品を気に入っていたただいたオーナーが地元のお得意さんに勧めてくれる
期待に応えるべく熱が入る。
その主たるものが直径15センチの大椀、合鹿(ごうろく)椀だ。

合鹿椀(ごうろくわん)とは能登半島輪島の旧柳田村で生まれた欅(けやき)製の飯用、汁用に
分けられた入れ子形式の二重椀から始まった。
布着せした荒々しい大椀ということで知られている。
時代は室町時代。
意外なことに輪島塗のルーツではない。
ロクロや漆塗り技術の発達とともに椀の歴史を考えるときに大切な考察資料になる。

なぜ合鹿椀というかは諸説あり定かではない。
しかし瀬戸久雄「柳田歴史ものがたり」によると
夫婦で「ろくろ」を挽く時、妻が刃がね(鋼)を持ちその椀を挽く力の配分を考え夫は呼吸をあわせる。
夫は妻の椀の挽き具合を考え椀を回転させる。
合鹿椀の素朴さと品格を生む秘密は息のあった合間から生まれたここにある。
くるまへんの轆轤(ろくろ)ではない。
「鹿」は木の霊性を木地師の生活の中に感応して継承されてきた。

寒い能登輪島で仕事がない冬の間、夫婦で椀木地を挽く風景が思い浮かぶ。

素朴でありながら堅牢で風格がある。
経験の浅い作家は勘違いをしただ荒々しい雰囲気の大椀を作り合鹿椀として世に出す。
しかし奥深さのない椀は受け入れられない。
浅はかな椀は作りたくない。
先人達の品物は風貌といい漆の趣といい力強く、引き込まれる。
私も自信を持って人前に出せる合鹿椀はまだ作れない。
合鹿椀は作り手としてもいい修行の題材だ。


写真は欅材で麻布を着せ輪島地の粉で3回下地を施し
朱溜塗りに仕上げた。
左側面の赤みがかった部分は金箔をはってある。

堅牢に作ったつもりである。
3世代は保証する。
とにかく丈夫に作った。

お客様の反応が気にかかる。





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小園 敏樹

Author:小園 敏樹
鎌倉で生まれ育った。鎌倉彫職人。漆造形作家。花や自然、
美しいものを愛する男です。O型

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