小園博句集「彫琢」


小園博 句集 「彫琢」 鎌倉春秋社 定価本体2800円
父であり鎌倉彫業界の先輩であり師匠である小園博が4作目の句集を発表しました。
もう何回 目を通しただろうか。
何回 涙しただろうか。
昨年母(父にとっては最愛の妻)が突然くも膜下出血で亡くなり
父も相当な悲しみと絶望感に苛まれ呆然自失の中で
この句集を書き上げました。
鎌倉彫を生業とし60年近く母と寄り添い
仕事に向かっていたのだからその想いは計り知れません。
妻の面影を感じながら湧いてくる感情をこの句集に込め書き上げました。
多少なりとも家族として思いをともにし胸に詰まる感情でこの句集を読みあげました。
天国ももう秋ですか八千代さん。
(母の名は八千代。)
独り笑つてひとり寒くて妻居らず
妻逝くや夏景すべてとどこほる
以下父の自選。
生かされて彫琢の日々花咲きぬ
逝くもののみな風になり半夏生
言ひたして言ひたして寄る春の波

第1集「鬼にもならで」より自選
やわらかしふるさとの雪ふるさとの土
鬼城忌や鬼にもならで木を彫れる

第2集「化粧坂」
白絣水の如く生ききしか
秋谿へ即興詩人の鳥が翔つ

第3集「谷戸風韻」
線足して大きくしたり秋の山
我が胸にわが声通す冬の海
父は16歳から俳句を詠んでいます。
68年目に入りました。
父には俳句があってうらやましいなぁと。
鎌倉彫の作品にも俳句の感性が生かされています。
単なる季節感ではなく自身の周りの空気を作品に表しているのだと感じます。
83歳、公務も多く
父を慕う鎌倉彫の生徒さん、俳句の同人など
人と接する機会が多いのも心身共に健康でいる源になっているのでしょう。
これからは肩の力を抜いて道楽人生を楽しんでいただきたい。
第4集「彫琢」は今年3月発刊しました。
鎌倉の書店で3か月ほど発売して好評ののち販売は終了したかと思います。
お求めはかまくら春秋社販売部に問い合わせてください。
0467-25-2864まで
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