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杉の小判皿納品。

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初夏の過ごしやすい爽やかな一日でした。
朝6時に起き掃除、洗濯、朝食準備ときびきびと活動。

午前8時から複数の納品準備に奔走した。
のし紙の調達や包装、品物を化粧箱に入れ、宅配便への荷造り・・・。
事務員を雇わなければならないかな。
雑用で物に取り組む時間がなかなか作れない。
とはいえ納品準備はモノ作りに取り組む者にとって
仕事の最終段階で心も弾む。
楽しい時間である。

納品の一つに杉材を叩き鑿で手刳った楕円型の皿が2枚ある。
朱と黒に塗りあげた盛り皿だ。
30代の素敵な奥様の注文で2年も待っていただいた。
子供も大きくなり幼稚園に通うまでになってしまい
納品が遅れ大変恐縮しながらのお届けになった。
幸い快く御笑納いただき安堵感で一杯だった。


杉の木は比較的安価で柔らかく加工もしやすい。
しかし彫刻材には向かない。
木の目が一定ではなく小刻みに逆目が表われる。
特に木の目に直角に鑿を入れると目がひび割れぼそぼそになってしまう。
それゆえ叩き鑿の荒々しいタッチが表現しずらい。
解決法は鑿の切れ味を増すこと、小刻みに鑿を進めることしかない。
集中して木の目を読み取ることが大事だ。

叩き鑿の加工をしなければならない。
刃物を薄くするためグラインダーで地金を落とし取る。
刃金を大切りに研ぎ薄刃にする。
木に食い込みやすいので注意。
刃物を厚くしたほうがしゃくりあげやすいので個人的には
余り薄く研がないことが多い。
大事なのは刃物が切れることだ。

裏面全体に麻布を着せ上塗りは日本産漆のスグロメ漆を使い
塗りっぱなしの花塗りで仕上げた。

杉は軽くて、時間がたつほどに木の目が際立つおもしろい素材だが
なかなか手ごわい相手であった。

仕事はチャレンジ精神で立ち向かう!










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小園 敏樹

Author:小園 敏樹
鎌倉で生まれ育った。鎌倉彫職人。漆造形作家。花や自然、
美しいものを愛する男です。O型

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