碁盤




テレビを見ていると国会で政治家がそれぞれ正当性を語っている。
世の中、ますます混とんとしてきた。
政治、経済、社会の情勢に関係なく自らやるべき仕事を
完結出来なければ次のステップに進めない。
私を取り巻く環境も一年中、慌ただしい。
ひなびた温泉で一週間ぐらい誰とも会わずにゆっくり
本でも読んでいたい。
そんなささやかな夢もかなわず今日も鼻血をだしながら
何かに取りつかれたように彫刻、塗り、図案書きと忙しく働いている。
以前、ブログで取り上げた碁盤の仕事が完成した。
依頼主は埼玉の老舗碁盤屋さんで名人戦でも扱われた高い技術をもった工房だ。
中国の要人からの注文だそうで金箔でまわりを仕上げてほしいとの注文。
かなりの枚数の金箔を使う。
密閉した部屋で呼吸を止め1枚1枚慎重に箔を置いていく。
多少しわが出る鎌倉独特の堆金塗りだ。
父にほとんどの工程をゆだねた。
出来あがりは父、私とも及第点と思っているが口には出さない。
何とか納められそうだ。
1つ1つの仕事は真剣勝負だ。
どこに出しても恥ずかしくない品質を目指さなければならない。
毎回、この気持ちで30年仕事をしてきた。
今だ自身の中で晴々とした仕事内容を感じたことはない。
まだまだ修行中である。
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